全身全霊ライフ

悲劇に負けず、全身全霊で書く雑記ブログです。

毎朝通勤中に出会う不思議な人【ジョージ編】


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午前7時、乗り換えする中継駅に電車が着く。
地下鉄までの乗り換え距離はおおよそ150メートル。


それまでに階段、平面、エスカレーターを降りるセクションがある。


扉が開くやいなやジョージが飛び出す。
ジョージさんとは?!


実は本当の名前は知らないそのジョージさんは駅に着いてから、乗り換えするまでの足が物凄く速い。


ミュージシャンの高橋ジョージに似ていて、いつも髪の毛はオールバック。
前髪は少し垂れてロカビリーチックなサラリーマンだ。

しかし階段をかけ上がるスピード、平面でのダッシュ力、改札を駆け抜ける際の寸分違わないタッチの動作、一般人の域を遥かに超えている。


僕は変にスポーツをずっとしてきて負けず嫌いな性格なので、ジョージを抜いて何としても地下鉄に乗り込んでやると変にライバル心を持ってしまっていた。


ジョージのポジショニングは最高だ。
中継駅に電車が着く。そのドアの先にはすぐに階段がある。


僕もそのドアの前に立つ。

ドアが開く瞬間ジョージの初速はMAXになる。
階段は35段。二段飛ばしでジョージはかけ上がっていく。


僕は階段を上りきった時には既に息が切れかけているが、顔色一つジョージは変えない。スタミナの差は歴然だ。


そしてそこから平面で60メートルはあるコンコースを駆け抜ける。
ビジネスカバンは重そうに見えるが、スピードは落ちない。


ジョージに弱点があるとすれば下りのエスカレーターだ。
ジョージは上るより降りる方が苦手みたいだ。


下りエスカレーターは階段にすると80段になる。
僕は横にある階段を二段飛ばしで降りていく。
だが、ジョージとの差は三メートル程しか縮まらない。

階段を降りた先には、地下鉄の改札まで勾配のあるストレートがラスト50メートルある。

僕はもう息切れして全速力では走れない。
しかしジョージはスタミナが切れない。


このあたりの最後の余力の差が一般人との違いなのか?!


僕は朝から抜かすべき相手を見つけた。
このとてつもない相手に勝った時、何か壁を越えた人間になっていると信じたい。